スマホの下取りと買取、どちらがあなたに合っているか、判断に迷う方も多いはずです。下取りは新機種購入時に割引やポイント還元が得られますが、現金では戻ってこず、機種や条件に制限があります。
一方、買取は状態に応じた現金受け取りが可能で、故障や古い機種でも売りやすい点が魅力です。本記事では、それぞれの内容や特徴をわかりやすく比較していきます。
下取りと買取の違い
「下取り」と中古買取店の「買取」は、一見似ていますが、その目的と仕組みには大きな違いがあります。仕組みが違えば選びどきも変わってきます。このセクションでは、それぞれの特徴を丁寧に解説します。
下取りとは?
「下取り」とは、新しい機種の購入や乗り換えとセットで、古いスマホを引き取ってもらう仕組みです。
キャリアやメーカーが定めた条件を満たせば、ポイントや割引として還元されるため、機種変更の手続きと一緒に簡単に利用できる点がメリットです。
査定基準は緩く、キズや使用感があっても同じ条件で評価されることが多い一方、還元は現金ではなくポイントや割引に限られ、実質的な金銭受け取りではない特徴があります。
買取とは?
一方で「買取」は、フリマや買取専門店などが、端末の状態に応じた現金を直接支払うサービスです。新機種の購入が前提でなく、古い機種や故障品でも査定可能な点が強みです。査定基準は状態重視で厳格ですが、その分、適切な業者であれば下取りよりも高額な査定額を期待できる傾向にあり
ます。
つまり、端末をただ手放したい人や古い機種を処分したい人には買取が向いており、手続きの手軽さや機種変更時の割引を重視する人には下取りが便利といえるでしょう。
それぞれのメリットとデメリットは?
どちらがより高く売れるのか、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。それぞれのメリット・デメリットを具体的に比較していきます。
下取りの特徴とメリット・デメリット
キャリアの下取りは査定基準がゆるやかで、多少の傷や使用感でも評価が大きく下がりにくい点がメリットです。
しかし、還元は現金ではなくポイントや割引に限定され、査定額は中古価格より20〜50%低くなる傾向があります。
買取の特徴とメリット・デメリット
端末状態に応じた細かい査定が行われ、状態次第では下取りより高額が得られる可能性があります。iPhone などでは、キャリア下取りに比べて約30%高く売れるケースもあり、現金で即受け取れる点も利点です。
ただし、傷や故障があると大幅減額もあり、査定基準が厳しいのが注意点です。下取りは手軽さ、買取は高額現金化ができる点で魅力があります。
対応機種による違いはある?
対応可能な機種によって、下取りと買取は価格に大きな違いが生まれます。ここでは、機種による違いを解説しましょう。
iPhone14
2022年に発売され、未だに根強い人気のあるiPhone14シリーズ。状態によっては、高額買取が期待できます。下取りと買取の価格の目安は、次の通りです。
下取り | 50,000円~70,000円 |
買取 | 60,000円~70,000円 |
これらの価格は、付属品や説明書の有無や、機種の状態によって変動します。買取や下取りを決めたら、早めに査定を出しましょう。
Xperia 10 VI
2024年7月に発売された、Xperia 10 VIシリーズ。最長2日間充電が必要ないため長時間の外出も安心で、多くのユーザーから人気の機種です。
下取り | 35,800円~40,500円 |
買取 | 15,000円~44,000円 |
こちらもiPhone14と同様に、具体的な査定額は、端末の状態によって異なります。具体的な価格は、十店舗に問い合わせてみてください。
買取や下取りが不可になる条件はある?
キャリアの下取り制度では、安全かつスムーズに売却ができるというメリットがありますが、利用にはいくつかの条件があり、それを満たしていない端末は対象外となります。ここでは、不可になる条件をいくつか紹介しましょう。
端末が正常に動作しない
まず重要なのは、端末が正常に動作することです。電源が入らなかったり、スリープボタンが使えない、液晶に表示異常やタッチ不良がある場合、どの機種でも査定対象外とされます。水没や基板の損傷がある端末は、同様に引き取り不可となります。
ロック解除や初期化をしていない
ロック解除・初期化が必須です。iPhone の場合はアクティベーションロック(iCloud ロック)が解除されていない状態では下取りできず、Android はSIM カードが内蔵され、リセットされていないと不可となります。
さらに、ネットワーク利用制限(赤ロム)や残債がある場合も対象外になります。
未払いの分割金がある
未払いの分割金がある、または赤ロム化している場合は、キャリア自体が回収を拒否するため、下取りは受け付けられません。
保証対象外の状態もある
最後に、改造や保証対象外状態も不可条件です。
外装の改造(防水加工や非純正パーツの導入など)が行われていたり、IMEI(識別番号)が確認できない場合も対象外です。
支払い方法と手続きの違いはある?
キャリア下取りと買取では、支払い方法と手続きに明確な違いがあります。
具体的な手続きの流れと支払形式の違いを詳しく解説します。
下取りの手続きと支払い形式
キャリア下取りの最大の魅力は新機種購入時に即時割引やポイントが受けられる手軽さです。
たとえばドコモやソフトバンク、au などでは、対象端末を下取りに出すと「購入代金から割引」または「d ポイント・Ponta ポイント・PayPay ポイント」などで還元が行われます。
ポイントは新機種の購入費用に充当でき、店頭なら即時、オンライン申込では後日付与される方式です。
ただし端末の分割払いが残っている場合は、支払いを継続する必要があります。下取り後も未払い分の支払い義務は解消されず、返却や割引の対象になりません。
特に「スマホ返却プログラム(スマホトクするプログラムなど)」と併用して分割残債を免除する場合は、タイミングや条件を理解しないと想定より負担が増える可能性があります。
また、下取りはポイントや割引が対象で、現金にはなりません。現金化したい場合は下取りではなく、買取が必要です。
さらに、下取り対象機種には制限があり、古いスマホや故障端末は対象外になる点にも注意が必要です。
このように、下取りは「機種変更時に簡単にお得」を実現しつつも、分割残債の存在や現金化不可といった制限がある点を理解して選ぶことが大切です。
買取の手続きと支払い形式
買取専門店では、スマホを売却すると現金または銀行振込で支払いを受けられます。店頭買取の場合は、査定額に納得すればその場で現金を受け取れるのが最大のメリットで、急ぎで現金化したい人に最適です。
一方で宅配やオンライン買取では、端末を発送後に査定結果が届き、承認すると登録先の銀行口座へ振込が行われます。振込は通常、査定確定から当日〜数営業日以内に入金され、10 万円以上の場合は振込のみで対応する業者もあります。場合によっては、現金書留を選ぶことも可能ですが、50 万円以上の場合は振込が基本となるケースが多いです。
振込の際は、本人名義の銀行口座が必要で、振込手数料は業者負担のことが多いですが、稀に利用者が負担する場合もあるため注意が必要です。
このように、用途や状況に応じて「即現金が欲しい」「確実に振込で受け取りたい」を選べるのが、買取サービスの大きな魅力です。
下取りと買取はどちらがおすすめ?
スマホを手放す際、下取りと買取のどちらを選ぶべきか、目的やスマホの状態によって異なります。
それぞれにおすすめの人のタイプを紹介します。
下取り向きユーザー
キャリア下取りは、機種変更と同時に簡単に端末処分やお得なポイント還元を受けたい人に最適です。新しいスマホを申し込む手続きの中で、古い端末を預ければ購入代金から割引されるか、キャリアのポイントが即時反映されます。
「現金はいらないから、手間なく処分したい」「操作は全てキャリアショップで済ませたい」という方にとっては、下取りが便利です。査定基準が緩く、多少の使用感や小さな傷があっても同一価格になるケースも多く、査定交渉の必要もありません。
ただし、ポイント還元は現金ではなく、新機種の購入にしか使えない点には注意が必要です。そのため「最新機種を使うつもり」「分割払いを続ける予定がある」人には特におすすめです。一方、現金が欲しい場合や古い機種を売りたい場合は、買取の方が向いています。
買取向きユーザー
スマホを売る際、『現金化を優先したい』『古い・壊れた機種を処分したい』という方には、買取店の利用がおすすめです。専門業者では、iPhone やAndroidを問わず、故障品や水没ジャンク品でも査定対象となるため、通常の下取りでは見捨てられるような端末も現金化できる可能性があります。
また、端末の支払いが残っている「利用制限 (分割中)」のスマホも、買取業者△なら購入者を条件として現金化が可能なケースがあります。その際、SIM ロック解除や残債の確認をしておくと査定額がアップしやすくなります。
さらに、査定後に現金即時受け取りできる点も魅力です。店頭買取ならその場で、宅配買取でも短期間で銀行振込されるため、金銭的にすぐに動かしたい方には特に有利です。
このように、機種が古い・壊れている方や、とにかく現金化を優先したい方にとって、買取サービスは非常に合理的な選択と言えます。
まとめ
キャリア下取りと買取には、それぞれ特徴と向き・不向きがあります。下取りは機種変更時に簡単に割引やポイント還元が得られ、手続きもスムーズです。ただし、古い機種や故障端末では対象外となる場合が多く、還元額も現金より低めになる傾向があります。
一方、買取では故障品や赤ロム状態のスマホでも査定対象となり、最大額であれば下取りより数万円高く売れることもあります。また、現金・振込で即受け取れるため、現金化を優先する方に有利です。目的やスマホの状態に応じて使い分けることで、納得のいく売却が可能になります。